《 二之沢病院での緩和ケアについて 》
 現在、がんは日本人の死因の第1位であり、当院でもがん患者さんの相談や入院が増えています。急性期病院やがん専門病院にてがん治療は積極的に行われていますが、がん治療を行わない状況になると入院が困難となったり、退院をすすめられるケースもあるようです。

 たとえば、下記のような場合は医療制度の関係もあり入院を受け入れる病院が少ないのが現状です。行き場を失った患者さんを「がん難民」と称する言葉も出現しています。

  がんが進行し抗がん治療を続けることが難しくなった

  高齢や認知症などの理由で治療の適応がないと判断された

  心臓、肝臓、腎臓などの機能が低下しており抗がん治療ができない

  患者さんやご家族ががんの治療を希望しない

 しかし、がんを抱えて生きるにはさまざまな困難があり、がんへの積極的治療は行わないにしても苦痛への対応は必要です。また、身体の機能が衰えれば身の回りの生活への支えも必要になります。そういった状況を鑑み、当院でも緩和ケアを主体としたがん患者さんの受け入れを行っています。

 当院はいわゆる慢性期の医療療養病床であり、建物や設備といった環境面、患者さん一人あたりに対するスタッフの数などを考えると、いわゆるホスピス・緩和ケア病棟と同等のようにはいきません。ただ、ホスピス・緩和ケア病棟に抵抗感のあるような場合、「敷居」が低いメリットもあるように思います。

 まだ、発展途上の状況ですが、職員は日々研鑽を積みケアの向上に努めています。がんによるさまざまな苦難を抱えた患者さん、ご家族のお役に立てるよう今後とも精進してまいる所存です。

下記によくあるご質問のQAを記載しました。参考にして頂けたら幸いです。

Q. 緩和ケアとはどのようなことをするのですか?

A. がんに伴う色々な症状をやわらげたり身の回りのお世話を行います。たとえば、痛み、吐き気、呼吸苦などを緩和したり、食事、排泄、入浴、移動など生活面での介助をします。 

Q. 本人へがんの告知は必要ですか。

A. ご本人への告知は必ずしも必要はありません。現にそのような方も受け入れています。ただ、近しいご家族の方々は病名や現在の病状につきご理解頂きたいと思います。 

Q. 費用についてはどのようになっていますか?

A. 入院費は通常の医療療養病床の代金と同じです。医療用麻薬が必要な場合は別途薬代が生じますが保険が適応されます。下記に具体例を記します。 

 例)後期高齢者でがんの痛みに対し医療用麻薬を使っている場合の1ヶ月の負担額。

療養病棟入院基本料

44,400

食費(360円×13食×30日)

32,400

居住費

0

個室料金

0

合計(1ヵ月)

76,800

   入院基本料は所得が少ない方や日常生活の自立度が高い方はさらに減額されます。

   医療療養病床では患者さんの疾患や状態に応じ医療区分が13に分けられます。がんの痛みで医療用麻薬を使っている場合は医療区分2に該当します。

   医療区分2では、食費1360円、居住費は無料となり、所得が少ない方は食費がさらに減額されます。 

Q. 部屋の様子はどのような感じですか。緩和ケアの専用病棟があるのですか?

A. 部屋については4人部屋がほとんどですが個室も4室あります。ちなみに当院の個室料金は無料です。緩和ケアの専用病棟はありません。いろいろな疾患の方の混合病棟になります。 

Q. 認知症があっても入院できますか。

A. 認知症があっても入院は可能です。ただ、不穏行動、徘徊などがある場合は患者さんの安全面への配慮も必要なため事前にご相談頂ければと思います。 

Q. 入院後たとえば3ヶ月経つと退院しなければなりませんか。

A. 当院は急性期病院ではないので入院期間の制限はありません。ただ、病状が安定し疼痛などの苦痛を治療する必要がなくなれば(医療行為の必要がなくなれば)、当院併設の老人保健施設や在宅療養への移行を提案することもあります。当院では訪問診療も行っています。 

Q. 医療用麻薬は使用できますか?

A. 使用できます。下記に現在採用している医療用麻薬を記します。挙げられていないものでも必要があれば取り寄せることも可能です。

持続皮下注射用の小型シリンジポンプもありますので、薬を飲むのが難しくなったり、点滴の血管確保が大変なようなときでも薬による疼痛の治療が可能です。

モルヒネ   : オプソ内用液、MSコンチン錠、モルヒネ注、アンペック坐薬

オキシコドン : オキノーム散、オキシコンチン錠、オキファスト注

フェンタニル : フェントステープ、フェンタニル注 

Q. 延命治療については?

A. がんで予後が限られている方への心臓マッサージ、人工呼吸といった延命治療は基本的には行っていません。 

Q. 抗がん剤治療は行いますか?

A. 薬の種類にもよりますが、がん専門病院で行うようないわゆる“本格的な”化学療法は行っていません。ただ、数ヶ月に1度の前立腺癌治療の注射やTS-1などの内服薬程度であれば行うことも可能です。ご相談ください。

Q. 元気になったら一時退院できますか?外出や外泊は?

A. 病状にもよりますが基本的には可能です。できるかぎりご希望に沿うよう相談に乗ります。

Q. 入院を希望する場合どうすればよいですか?

A. 相談員が窓口となり対応致しますので下記にご連絡ください。現在のご本人、ご家族の様子を伺ったり、病棟を見て頂いたりしながら入院のご相談をします。

 何かご不明な点などございましたらお気軽にご相談ください。


   二之沢病院

   TEL 027-373-2215

   FAX 027-372-5130

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